すべては苦悩に彩られている。寒風が吹きつける。キューブは,一生食べていけるような最高級のパソコンだが,それとて苦悩を引き連れている。課せられた課題は,至高のデザイン,至高のパフォーマンスを発揮して,この苦悩を捨てること。この冬の寒さに,熱い情念は,ありや?
ウェブサイト「Applele」の新種林檎研究所が,架空のアップル社製品の3Dモックアップを展示している。以前,Go2Macでは,同サイトのPowerfulBookとHiBookも掲載した。このhiMacとhiMac DVは,iMacの後継機としてとてもクールだし,PowerfulMac G4 BookとPowerfulMac G4 Cubeはアップルがビジネスマシンに注力するのに重要だ。スティーブ・ジョブズとジョナサン・アイブは,この製作者をすぐにも雇うべきだ。
アップルはパワーブックに続いて,マルチプロセッサG4を値下げ(Mac Fan netの記事)。抱えた在庫処理を促進させている。日本は米国ほどのダブつきは感じないが,それでも7月下旬のニューモデル出荷前のモデルが,まだ店頭でみられる。4ヶ月前にさばききって欲しかった機種がまだあるというのは,やはり問題と考えていい。徹底した在庫管理で店頭にものがないと苦情が頻発していた1年前と,大きくなにかが変化しているのは確かなようだ。
現在アップルでは,新型ノートと廉価版キューブの詰めの作業をしている,というのが大方の予想。だが,ともに難航がうかがえる。アップルにとってiBook以外のノートパソコンのプロダクトデザインは,基本的には1989年のパワーブック100から変化がない(こまかな変化はいくつもあるけど,大枠は変化ない)。iBookほどの劇的な,なにか,を待ちながらも,98年8月のiMacデビューから始まったジョブズによるプロダクトデザイン変革にあって,プロフェッショナルノートは唯一残された未踏の地である。そこにある苦悩。ここまで踏み込めずにいるのは,なにか大きな原因があるのだ,きっと。そしてキューブの思想と価値を持ち合わせる廉価モデルを作る苦悩も,察しがつく。Appleleのデザインは,アイブのものとはやはりかけ離れているのが感じられるが,さて,あと1ヶ月ちょっとしかない。正月開けのマックワールドエキスポ/サンフランシスコ。発表はそこである。目を見張る製品は,待っているのか。…待っていたい。
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